page icon

急に増える中学生のお母さんたちからの相談内容

子どもが話をしてくれないんです。

そんな相談が多くなってくるのは小学校高学年〜中学生以降にかけて。
そんなの聞こえるとか聞こえないとか関係なく、思春期になればあるあるじゃないの?
それは確かにそうかもしれない。
 
でも、、聞こえない子特有の理由を持っていることが実はとっても多いんです。
 
子どもたちがぽつりぽつりと話してくれること。
たくさんの当事者が共感できる!!と強く深く頷く内容。
本当は胸の内に秘めておきたいあまり触れられたくないこと。
かもしれない、でも、、
 
私は自分の経験もそんな子どもたちの心の叫びも、伝えたい、伝えていかないといけない
そう思って今回この記事を書くことに決めました。
 

家族団欒の中でのひとりぼっち

「ディナーテーブル症候群」という言葉をきいたことはありますか?
 
ディナーテーブル症候群とは…
聴者の家族の中にろう者が一人だけいるとき、会話の内容が分からなかったり、会話に参加したいのに参加できず疎外感を感じたりする様子(引用:ろうなび)
 
聞こえない子の両親のほとんどは聞こえると言われています。
その家族の中で過ごす聞こえない子がどんな想いを持っているのか、どんな状況なのかについて
私が今まで感じてきたことや、受けた相談について一部紹介したいと思います。
 

私は家族じゃないの?

長年関わってきているとある女の子から発せられたこのことばがグサリと胸にささりました。
デフノバで孤独や孤食をテーマに考えていこうと思い始めてからさまざまな人に経験や想いについてインタビューしてきました。
その中で聞いたあまりにも切ないことば。
 
家族はみんな声で話す。お母さんは自分と話す時は手話を使ってくれるけど、お父さんや兄弟は手話をほとんど使わない。
聞こえない子のいる家庭のあるあるの姿だと思います。
 
その子は話してくれました。
手話がない会話はほぼ何もわからない。
内容を聞いても教えてもらえないことがほとんど。
「私は家族じゃないんだ」小さい頃からそんなふうに思ってきた。
自分知らなくていい内容、自分だけが何もわからない状況。
それなら見えないところで話してよ!!と思ったことも何度もある。
そんな環境に今ではもう慣れてしまったと寂しそうに笑っていました。
「あんたは橋の下で拾ってきた子」大阪では割と言われる謎のことば。
それも小さい頃は間に受けていた。と。
 
愛情を感じていないわけではない、自分も家族は大好き。だけど、、居場所はなかった。
 
あまりにも辛すぎると思いませんか。
おそらく聞こえない子の子育てにご両親はとても悩んで、いろいろな想いを持って愛情たっぷりに接してきたはずだと思うんです。でも、伝わらない何かがこんなにも大きく子どもの心に穴をあけている。
こんな悲しいことはない。
私も自分自身の話を聞いているのかと思うくらいとても共感できる内容でした。
 
こんな例え話を聞いて、とっても納得したことがあります。
 
家族団欒時の会話
お父さん「あれ?なんか机ぐらついてるなぁ」
お母さん「もう10年以上つかってるもんなぁ」
お父さん「よし、ほな週末はニトリに新しい机買いに行くか!」
弟「新しい机よっしゃーーー!!」
聞こえない姉(なんかしらんけど喜んでるわ。)
お母さん「えーでも思い出めっちゃあるからなぁ。。」
お父さん「まぁな。でも壊れて怪我しても危ないしさ」
お母さん「それはそうやなぁ。ほな見にいこか」
 
週末ニトリに連れていかれた聞こえない姉は何しに来たのかもわからない
何年使ってきた机なのか、お母さんの机に対する思い入れ
誰が机を変えることを提案したのかも、その理由も
なんにも知らないんです。
ただただ流れていく、自分には関係のない景色をずっと見ている
 
そんな表現に私はとても共感しました。
もちろん細かく説明してもらえることもあると思います。ただ、聞こえる人がわざわざ説明する必要のない事柄だと省いていることがとてもたくさんあるということも大人になってから知りました。
全てを伝えきれないことももちろんわかります。私も負担に感じて欲しくなかった。
 
ただ、こういった人の想いや目的や理由、原因、感情や思考、思想などに深く触れることなく育っていくと関係性のほとんどを知ることができず、想像力や思考力、コミュニケーション力などあらゆる力が積み重なっていきにくいです。
 
もっと頑張ってよ!家族でしょ!!なんてことを言うつもりはありません。
少しずつ一緒にデフノバで考えていきませんか?
家族だからといって全てを背負わないといけない、なんてことも思っていません。
少しでもデフノバが力になれるなら、役割分担しながら子どもたちの笑顔をつくる一部になりたい
そんなふうに思っているだけなんです。
そのためにはお母さんが笑顔になれる環境も大切です😁
どうすればいいか、一緒に考えたいのです。
話してくれなくなった後で、もっと早く気づいていれば、、と思って欲しくないのです。
 
デフノバではこういった想いをベースに、
子どもたちが安心して帰れる場をふやすこと
安心の環境があって初めてできるチャレンジのきっかけをたくさん提供すること
子どもの本気、子どもの成長の伴走をすること
お母さんたちの不安や心配に寄り添えること
当事者だからできること
私たちもどんどんチャレンジしていきたいと思っています‼️
 
聞こえる家族の人たちに知って欲しいことがあります。
そして聞こえない子の環境に、少しでもプラスになる働きかけをしていきたい。
少しずつにはなりますが、想いも記事にしていくので、お読みいただけたら幸いです😊
遅すぎる、なんてことはありません。
私たちデフノバを通して子どもたちのことばを受け取っていただけたら嬉しいです😊
聞こえない子も含めたご家族に楽しい団欒が全国に広まりますように✨
 
この記事の内容に共感してくださった当事者の方、また、一緒に何かをしてみたい!と思ってくださる方、ぜひデフノバ公式LINEからメッセージいただけると嬉しいです。
 
 
最後までお読みいただきありがとうございました😊