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聞こえない世界を伝えたい

 

会話の中で、初めから最後までの全てがわかることはない。

「言わないとわからない」「説明して」
こんなふうに言われることがよくある。
でもね、、私たちの世界ってこんな感じなんです。
 
私たち聞こえない人間には常にあらすじのみ伝えられる。
周囲にはストーリーを読み終えた人や熟読した人ばかり。
そんな人に意見や考えを話せる、そんな勇気のある人がどのくらいいるのだろう?
 
かいつまんで、ではなく、全てを知りたいんです。本当は。
そうすれば、求められていることにも応えられる。意見も説明もはっきりと伝えられる。
そんな環境が小さい時から準備されていれば、、、
 
正直、私自身に、そんな環境はなかった。そのために獲得できなかった力や削り取られてしまった力もたくさんあると感じます。
 
中途半端な情報から意見を伝えると、それ以上の意見にねじ伏せられる、そんな感覚。
後から後から重要な情報が実はあったんだと聞かされる。
知っていれば考えは違っていたのに、、そう思うことが山ほどある。心が疲れてしまう。
到底聞こえる人たちには敵わない。昔自分はそう感じていた。
 
 
それはなぜか?
 
 
それは、圧倒的情報量の差。
毎日そんな環境で過ごす私たちは、諦めること、期待しないことを学習していきます。
頑張っても頑張っても求める結果に辿り着くことができないから。
多分初めは無邪気に聞こえるとか聞こえないとか関係なく同じ目標を追うことができていたと思います。でも、「できない」経験を積み重ねすぎたことによって、失ったものも多くあるんだろう。今はそんなふうに思っています。
 

私は諦めない。

最近少しずつわかってきたことは、伝え方次第で情報は得られるということ。
ただ、そのためには自分も相手(聞こえる人、聞こえない人と接したことがない人)のことを理解する必要があるということ。
自分がどんな状態なのか?どんな状態を目指したいのか?そのためには何が必要なのか?
これを求めるのに遠慮なんていらない。そう教えてもらった。
でも、だれにどのように伝えるか?の重要性も同じように教えてもらった。
きちんと伝わるように伝える。これがコミュニケーションにおいてとても重要で、
相手によって伝え方は変えていかなければならない。
そのためには相手のことを深く知る必要がある。だからきちんと「聴く」ことが必要。
 
デフノバで出会う子どもたちにも、このことはしっかりと伝えていきたいと考えています。
聞いてもらえない、だから怒る、諦める、ではなく、相手に伝わる方法を落ち着いて考えることができれば、伝わることも増えていくと思うからです。
 
ぜひ色々かんがえながらしっかりコミュニケーションの練習を一緒にしませんか?
この勉強には終わりがないのです。ちゃふも一緒に成長していけたら嬉しいです!